| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨 ESJ63 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PH-019 (Poster presentation)
日高平野の水田地帯である「和田不毛」で、ミナミメダカ(Oryzias latipes)の生態について明らかにし、保全のために必要な条件を探るための調査を9カ所のポイントを設定し、2014年7月~2015年10月にかけて、11回の調査を行った。その結果、以下のことが明らかになった。
1.生息域については、夏の期間(7月~10月、6月~10月)には、9地点ともほぼ毎月生息が確認できるが、冬の期間(12月~4月)には、地点3カ所のみで生息が確認された。
この3地点は、冬期も水量が十分あって、流れがほとんどない点で共通していることから、このような環境が越冬に適しているのと思われる。
2.生活サイクルについては
集団の体長変化をまとめると、5月~6月、7月~8月、9月~翌年4月あたりで異なる世代が確認できる。このことから、1年間に3つの世代が出現するといえるとともに、産卵もこの時期に合わせて行われていると考えられる。
また、冬の間は成長していないので、活動期は4月~10月あたりとなり、メダカは生まれて約3ヶ月程度で成熟し、繁殖期を迎えると考えられる。
今後は、遺伝的な分析、他の地域の生息状況、などについて明らかにする。