| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨
ESJ63 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-023 (Poster presentation)

守れ!カスミサンショウウオ〜保護活動の推進と生殖行動の解析〜

*神戸 朱琉, *前田 晃太郎, *岡田 翔吾, 後藤 暁彦, 丹羽 大樹, 江崎 正英, 久冨 匡皓, 小島 瑳希子, 後藤 那月, 佐賀 美月, 高山 あまね, 森本 早稀, 塩谷 祐貴, 北村 拓斗, 鷲見 太樹, 坪井 玲, 八戸 啓太, 矢島 佳依 (岐阜県立岐阜高等学校)

2008年,岐阜市の生息地では老齢個体が4匹しか確認されなかった。そこで個体群の存続をはかり9年間保護活動を行い,調査を続けてきた。

生殖行動の一端を明らかにするため,産卵間近の雌1匹と個体サイズに差のある雄2匹を隔離飼育し,観察を行ったところ,小型の雄にスニーカー行動が見られた。先行研究で報告されている19種類のマイクロサテライト座位について,この3個体で解析した結果,1座位において差異がみられ,353bp(A),355bp(B)の2種類のアリルが検出された。雌のDNA型がAB,大型の雄がAA,小型の雄がABであった。この座位について,隔離飼育下で孵化した幼生35個体の解析を行った結果,幼生のアリルはAA:ABが約1:1で,BBは検出されなかった。この原因は大型の雄が放精した後,スニーカー行動した小型の雄が放精したためだと考える。また,保護活動開始当初から個体識別し,記録してきたデータ(頭胴長,出現場所など)をもとに解析したところ,岐阜市の個体には約10m以内の産卵場への回帰性がみられた。さらに,年齢に関わらず同程度の回帰性がみられた。


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