| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨
ESJ63 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-037 (Poster presentation)

カワニナを通して考える地域の生態系II

*櫻井 基樹, *中島 拓哉, *二村 勇輔, *細川 城太郎, *矢島 亮太 (岐阜県立岐山高校)

平成25年度に私達は岐阜市の論田川で、琵琶湖固有種のカワニナとよく似たカワニナを発見した。このカワニナは殻の形が細長く縦模様である縦肋が多い事から「縦肋の多いカワニナ」と名付け研究を始めた。

今回は殻の形状、稚貝の形状、歯舌の形状の観察、遺伝子解析を行い縦肋の多いカワニナの種の同定を行った。その結果すべての観点から、論田川の縦肋の多いカワニナは琵琶湖固有種のタテヒダカワニナである可能性が高いことが分かった。また遺伝子解析では多くの時間と費用がかかるのでそれらを削減できるカワニナの種の同定方法として制限酵素によるカワニナの種の同定を検証した。今回はタテヒダカワニナとクロダカワニナを分類するのに最も適した制限酵素を探した結果、PleⅠが適していた。COⅠ領域をPleⅠで切断後電気泳動を行った結果、タテヒダカワニナとクロダカワニナを分類できた。しかしPleⅠを用いて「縦肋の多いカワニナ」をタテヒダカワニナだと判断することはできなかった。今後はどのように琵琶湖固有種のカワニナが論田川に侵入したか調査すると共に制限酵素による種の同定法の確立を目指して研究を継続したい。


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