| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨 ESJ63 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PH-039 (Poster presentation)
昨年度より近隣寺社を対象に特定外来生物であるアライグマの爪痕調査を行ってきた。調査結果より坂戸市周辺に多くの痕跡が確認され、現在も多数のアライグマが生息していると考えられる。その背景には住民の意識の低さに問題があるのではないかと考え、アライグマに対する意識調査として坂戸市周辺の中学校2校の生徒、本校の生徒とその保護者を対象にアンケートを実施した。その結果、地域や年齢によって認識に差があり、全体的に正しく認識できている人は少なく、外来生物としての理解も進んでいないことが分かった。
また、周囲に畑・水路・雑木林のある近隣の廃校でアライグマの侵入が確認されたため、対策を講じるとともに、以前から取り組んでいるアライグマの生息条件についてより詳細な調査を行った。調査には3台の定点カメラと捕獲用ケージを設置した。その結果、アライグマが1頭捕獲された。また定点カメラには単独および2頭で行動するアライグマの映像やタヌキ、ハクビシンも映っており、3種が同所的に存在することが確認された。以上の結果から、アライグマが好むのは「食糧が豊富・身を隠せる場所が多い・人口密度が低い」といった環境であると推測できる。