| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨 ESJ63 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PH-040 (Poster presentation)
マメアブラムシは、マメ科の植物に被害を及ぼす農業害虫である。被害として、植物の生長抑制、レンゲ萎縮ウイルス感染による萎黄病の発症などが挙げられる。また、アブラムシなどの農業害虫は薬剤抵抗性を獲得する傾向にある。そのため私たちは農薬に頼らず、物理的・生物的な防除における最適な条件を探るべく実験を行った。
実験の条件は、高CO2、嫌気、紫外線下、アリの存在する条件、controlの5つを設定し、タッパー内で、マメアブラムシの生存率とマメ科の一種である豆苗の光合成速度を測定した。
結果は、高CO2下では19%、嫌気条件では1.6%、紫外線下では19%、アリの存在する条件では、controlでは37%という結果であった。これらの結果からマメアブラムシ防除において最も有効な条件は嫌気条件であることが窺える。豆苗の高CO2濃度、嫌気条件下における光合成速度は高CO2濃度下の方が嫌気条件下よりも大きかった。マメアブラムシの防除において最適な条件だと考えられる嫌気条件は豆苗の生存、生長において最適な条件ではない可能性がある。
今後は実験の反復数の増加、他の農業害虫における物理的・生物的防除法の確立、また、アブラムシの生態面について調査していく。