| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第64回全国大会 (2017年3月、東京) 講演要旨 ESJ64 Abstract |
一般講演(口頭発表) A02-02 (Oral presentation)
遺伝子組み換え食品や、新たな薬剤を販売する場合など、これまでに人類が経験した事がないものを世に出す場合には、コホート研究のような古典的な医療統計学の手法は、被害を未然防ぐ事が出来るため慎重で有効な考え方であろう。
一方、公害や原発事故のように、すでに大きな問題が発生してしまった場合、市民も行政も企業も医師も様々な判断を早急に迫られる事になる。古典的な医療統計手法で、年月をかけて原因を追及している間に、被害や二次被害が広がる事は十分に考えられる。長期的視野に立って、真実を追究する研究は必要ではあるが、それとは別に、現実問題をどのように対処していくのかを考えるための判断材料を提供する研究も必要なはずである。そこで我々は、すでに大きな問題が発生してしまった場合において、現実問題をどのように対処していくのかを考えるための判断材料を提供するための解析手法の提案を行なっている。
本発表では、まず、古典的な医療統計で得られる成果について述べ、その限界について考察する。さらに、階層ベイズ等の最新の解析手法で得られる成果を紹介する。古典的な医療統計では難しい表現が、階層ベイズ等の最新の解析手法で可能になることを示す。