| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第64回全国大会 (2017年3月、東京) 講演要旨
ESJ64 Abstract


一般講演(口頭発表) F02-03  (Oral presentation)

イケメンは育メン体質か?ヨーロッパシジュウカラの繁殖期における生理生態。

*松田亜希子(Max-Planck-Institut für Ornithologie, Universität Konstanz, International Max Planck Research School for Organismal Biology), Michaela Hau(Max-Planck-Institut für Ornithologie, Universität Konstanz, International Max Planck Research School for Organismal Biology)

性選択において、より派手なオスが好まれる理由に子育てへの投資が期待される場合がある。本研究では繁殖前のオスの質と実際の子育てへの貢献を検証すると共に、イケメンにはそもそも育メンの素質があるかを生理学的に探索した。ヨーロッパシジュウカラを材料に、オスの繁殖行動に関わる性的ホルモンのテストステロンと、子育て期に重要とされるストレスホルモンのコルチコステロンを繁殖前と繁殖中にサンプルし、同時期に分光器で羽根の明るさと色のばらつきを計測した。リッジ回帰を用いたモデル選択により、羽根の明るさとコルチコステロン最大値が適応度を説明することが分かった。形態形質と生理形質が共にオスの適応度を説明している結果を踏まえ、イケメンは育メン体質である可能性が示唆され、メスの選り好みは将来の子育てへの期待も含まれるのではないかと考察する。


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