| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第64回全国大会 (2017年3月、東京) 講演要旨
ESJ64 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-A-021  (Poster presentation)

雑穀の混作圃場における節足動物相および主要害虫の天敵としてのクモの活用について

*福村拓哉, 村田浩平, 松浦朝奈(東海大学大学院農学研究科)

雑穀の混作圃場における節足動物相および主要害虫の天敵としてのクモの活用について
○福村拓哉1・村田浩平1・松浦朝奈1(1東海大・院)

阿蘇地域においてゴマ科(エゴマ,シロゴマ,クロゴマ),ヒユ科(アマランサス),イネ科(ハトムギ,モチトウキビ,ソルゴー,シコクビエ,モチアワ,モチキビ,モチキビ黒品種,ヒエ,トウモロコシ),マメ科(エビスグサ),計4科14種を混植する同地域における伝統的な栽培方法を実施している混植圃場において,栽培期間を通じて見とり法による調査を定期的に実施し,次のような結果を得た.(1)圃場全体で調査期間中に確認した昆虫は,23科44種1,083個体であった.作物別の昆虫総個体数は,トウモロコシが最も多く203個体であり,黒ゴマは3個体と最も少なかった.作物ごとの昆虫の種多様度指数(H’)は,シロゴマが3.35と最も高く,ヒエは,1.39と最も低かった.(2)アカスジカスミカメは,アマランサスを除く9種の作物で最優占種であった.(3)圃場全体で確認したクモは,7科14種106個体であり,作物別ではモチキビとエビスグサで11個体と最も多く,モチキビ黒品種は2個体と最も少なかった.(4)イネ科,マメ科,ゴマ科で昆虫が増加した後,クモの増加がみられたこと,数種のクモによるアカスジカスミカメの捕食を確認したこと,作物別に昆虫やクモの個体数に差が見られたことから,混植方法がクモや害虫に及ぼした影響について考察する.


日本生態学会