| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第64回全国大会 (2017年3月、東京) 講演要旨 ESJ64 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P1-B-095 (Poster presentation)
アリによる炭水化物資源の利用は個体数や個体サイズに影響を与えることが知られており、アリの生態学的成功において天然蜜資源の利用状況が重要な要素であると考えられている。
沖縄島においては過去にアリが利用する天然蜜源である花外蜜腺と甘露排出性昆虫に集まるアリ類について別々に調査されてきたが、同所的に同じ方法でそれぞれを調べ比較した研究はされていなかった。そこで本研究では、沖縄島において、アリ類の天然蜜利用の実態を知るため,花外蜜腺と甘露排出性昆虫の蜜源に集まるアリ群集と,その周辺の背景アリ群集を同所的に調査し,各アリ種の出現パターンを比較した.
その結果,花外蜜腺は、多くのアリ種によって利用されるが、甘露排出性昆虫は在来アリが利用せず、一部の外来アリによってほぼ利用されていること分かった。これらの結果は、外来アリが甘露排出性昆虫から在来アリを排除している可能性を示唆するものである。
今回の発表では、この結果に加え、その至近的な要因として考えられる天然蜜の糖組成の違いに着目して検討する。