| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第64回全国大会 (2017年3月、東京) 講演要旨
ESJ64 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-C-107  (Poster presentation)

文献情報に基づく北海道のカササギの分布

*玉田克巳, 小野理, 北川理恵(道総研環境科学研究センター)

 カササギは、17世紀に持ち込まれたものが北九州に定着しているが、これ以外は国内には定着していなかった。しかし、1980年代に北海道の室蘭市などで、たびたび観察されるようになり、1993年に営巣行動が確認され、現在では苫小牧市を中心に、胆振・石狩管内に約200羽が定着している。
 北海道のカササギの分布は、堀本(2004)と黒沢・堀本(2015)などによって、1980年代からの生息状況がまとめられている。しかし、この2編の文献はおもに室蘭市を中心としたもので、収集された情報も、日本野鳥の会室蘭支部の支部報の情報が中心である。本研究では、室蘭支部報の情報に加えて、苫小牧支部報をはじめとする道内の文献情報を網羅的に収集した。その結果、繁殖情報のある胆振・石狩管内からは224件、これ以外の地域からは33件の目撃情報が得られた。
 1983-1993年には室蘭市と苫小牧市に記録があっただけであるが、1994-2003年には、室蘭市と苫小牧市のほかに、登別市、白老町、鵡川町などの太平洋側の地域と江別市などにも分布域が広がり、2004-2016年には内陸側から日本海側の北広島市、恵庭市、札幌市、石狩市などにも観察情報が広がっていた。
 胆振・石狩管内以外の地域では繁殖は確認されていないが、函館市、稚内市、小樽市などの港町のほかに、浦幌町、羅臼町、羽幌町、えりも町、余市町、栗山町などからも観察情報があった。


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