| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第64回全国大会 (2017年3月、東京) 講演要旨
ESJ64 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-F-210  (Poster presentation)

茂林寺沼湿原における段階的掘り下げ試験による湿原植物群落の再生効果

*三村昌史((一財)自然環境研究センター), 青木雅夫(群馬県自然環境調査研究会)

群馬県館林市に位置する茂林寺沼湿原は館林台地の開析谷に形成された低層湿原で、1960年に群馬県天然記念物に指定されて以後、埋め立て・宅地化・河川改修による地下水位の低下、生業としてのヨシ刈りの停止によって、湿原の乾燥化と遷移が進行し、カサスゲ群集等の湿原植物群落の縮小、セイタカアワダチソウ群落の拡大が生じている。
本研究では、既に遷移が進行した立地において、湿原植物群落の復元を図るために土壌掘り下げを実施した。路傍植物群落に由来する表層の地下茎・埋土種子の除去効果、相対的な地下水位の上昇と下層の埋土種子の再生効果を検討するため、段階的な掘り下げを実施し検証した。

茂林寺沼東岸のセイタカアワダチソウ群落やアキノノゲシ-カナムグラ群集となった立地において、3×15mのコドラートを3地点に設置し試験区とした。サブコドラートは3×3mとし、各区画の掘り下げ深度を0cm(土壌掻き起こし),10cm,20cm,30cm,40cmの5段階とした。出現した各種の被度%と平均草高cmを測定し、バイオマスの指標として乗算優占度を算出して比較した。


日本生態学会