| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第64回全国大会 (2017年3月、東京) 講演要旨
ESJ64 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-K-329  (Poster presentation)

石垣島吹通川沿岸域における海草・サンゴ生息マップの作成

*寺田一美, 足立隆太郎, 今泉直也, 薄田慎矢, 遠藤裕貴(東海大学)

沖縄県石垣市は人口約4.9万人を抱え、豊かな自然を生かした観光業や畜産・農業を主な産業として成り立っている。石垣島への観光客数は年々増加傾向にあり、特に2013年3月に新石垣空港が開港して以来その変化は著しく、2016年8月の観光客数は13.6万人と開港前(2012年)に比べ1.8倍となった。人口増加により沿岸域で危惧される環境影響として、エコツアー増加に伴う海草藻場・サンゴ礁への立ち入りによる攪乱、土地利用変化による土砂・栄養塩流入量の変化等が考えられるが、本研究ではそれらの影響を評価するため、まずは各生態系の生息分布を測定し、季節・経年変化を記録することを目的とした。
調査は石垣島北西部に位置する吹通川沿岸域において行った。吹通川は約12haのマングローブ林を有し、沿岸域にはウミショウブを含む約9種の海草およびサンゴ礁の形成が確認されている(環境省自然環境局、2008)。吹通川沿岸域にて200mの格子状に計18地点のモニタリング地点を設け、GPS情報を記録できる水中カメラおよび50cmコドラードを用いて生息状況を記録し、web上で生息マップのデータベースを作成した。調査は2015年8月に試験調査を行い、2016年5、9、12月に本調査を行った。その結果、吹通沿岸域サンゴ礁にて2016年9月に白化現象が確認された。2014年以降グレートバリアリーフおよび石西礁湖でも高温による大規模な白化が報告されており、サンゴ礁の回復状況を確認すべく、今後も生息モニタリングおよびデータベースの運用を継続していく。


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