| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第64回全国大会 (2017年3月、東京) 講演要旨 ESJ64 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-L-342 (Poster presentation)
サンゴ礁生態系の基盤構成生物である造礁サンゴ類は、主に熱帯・亜熱帯地域に広く分布する熱帯性生物であり、その中でも特にミドリイシ属サンゴは、生態的にも形態的にも多様化している分類群である。これまでのミドリイシ属サンゴの進化を対象とした先行研究では、ミドリイシ属サンゴの網目状進化の検証に重点が置かれ、核及びミトコンドリアDNAによる分子系統解析が世界各地で行われ、多くの塩基配列情報が蓄積されている。しかし、ミドリイシ属サンゴは、種によって形態による同定が困難であるため、異なる地域から報告されている特定の種同士が実際に同種なのかは定かではない。そこで本研究では、異なる地域から採取されたミドリイシ属サンゴの塩基配列情報を網羅的に収集し、種間・種内における遺伝的変異情報を比較することで、形態による同定の不確実性の度合いについて検証することを試みた。今回の発表では、本研究における現時点での進行状況及び今後の方向性について報告する。