| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第64回全国大会 (2017年3月、東京) 講演要旨
ESJ64 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-O-435  (Poster presentation)

3D点群データに基づく植物形態の経時的モニタリング

*野下浩司(JST さきがけ, 東京大学), 郭威(東京大学), 加賀秋人(遺伝資源センター), 岩田洋佳(東京大学)

近年,3D表面スキャナや,LiDAR,2D画像からの3次元再構築技術の一般化により,興味ある対象の表面の形態や色彩についての情報が点群と呼ばれる対象の表面に分布する点の集合という3次元データとして得られるようになってきた.特に,Structure from Motion(SfM)及びMulti-view stereo(MVS)による2D画像からの3次元表面の再構築パイプラインは様々なライブラリやソフトウェアとして実装されており,安価に高解像度の3D形態データが取得できる有望な手法といえる.
 本研究では,SfM及びMVSパイプラインを活用し,プロットレベルでダイズの初期生育のモニタリングをおこなった.また,画像解析と形態のモデリングにより生育の度合いや形態の変化を点群データから効率的に定量化する方法の検討をおこなった.ダイズコアコレクションから3品種を対象に,2-3日おきにデジタルカメラを用いて撮影をおこなった.(1)1プロットあたり40枚前後の画像を取得し,SfM及びMVSパイプラインによる3次元再構築をおこなう.このとき,本パイプライン用のスケールバーであるCalibrated Photogrammetric Scale Bar(Cultural Heritage Imaging)を設置した.得られた点群に対して,(2)地表面と植物体の分離,(3)器官の抽出をおこない,最終的に(4)各個体または器官に対して形質値(草高,葉面積,葉形状など)を算出する.SfM及びMVSを利用した3次元再構築により,精度の高い点群データを得ることができた.オーバーラップが少ない場合,生育段階にもよるが個葉レベルでの識別が可能である.


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