| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第64回全国大会 (2017年3月、東京) 講演要旨
ESJ64 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-01  (Poster presentation)

散布体の発根と刺激

*坂本空(東京都立科学技術高等学校)

私はマングローブの一種であるヤエヤマヒルギ(Rhizophora stylosa)の散布体の発根から根の伸長成長を調べるため、60日間育成した。この散布体というものは、ヤエヤマヒルギの胚軸であり、散布域を広げるために海を漂って、地面につくと発根しそこに定着する。この時、海を漂っているときは発根せず、また地面に着いたらできる限り早く発根する方が定着しやすいと考えた。
そのため、接触刺激がないと発根しないという仮説を立てた。この仮説の真偽と、接触刺激の箇所、硬軟などが影響するのかに興味を持った。また、西表島で実際に散布体を見たとき、その大部分が地面に対し垂直に刺さっていたため、角度の変化が発根の速さに影響するのかにも興味を持った。
それらについて調べるため、実験条件を、接触刺激の有無、硬軟、刺激の箇所、角度や、光刺激の有無などを変化させた9つの条件に分け、それらを60日間育成し、3日ごとに根の長さを測り、その変化を調べた。
その結果、散布体の発根から根の伸長成長に関し、接触刺激が必要なことや、刺激のかかる個所が関係すること、光が抑制的に働くこと、周期的に明暗が変化することが発根を促進することなどがわかったため、発表する。


日本生態学会