| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第64回全国大会 (2017年3月、東京) 講演要旨 ESJ64 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PH-18 (Poster presentation)
東京都武蔵野市の中心部に位置する成蹊中学高等学校校内には総面積500m2前後のエノキ・コナラ・スダジイ・シラカシを主体とする小規模混交林が存在し,武蔵野の面影を残す林として大切に管理・保存されてきた。今回この林に生息する鳥類をトレイルカメラにより撮影し,その季節的推移を調査した。林内のほぼ中央に人工的な水場を設け,そこにトレイルカメラを設置した。週1回撮影された鳥類の種類とその数をカウントした。その結果,都市部で多く見られるキジバト(Streptopelia orientalis)・ヒヨドリ(Hypsipetes amaurotis)・シジュウカラ(Parus minor)等が多い一方,オオタカ(Accipiter gentilis)やシメ(Coccothraustes coccothraustes)・シロハラ(Turdus pallidus)など自然度の高いところに見られる鳥類も飛来した。特にオオタカの採餌場としてこの林が使われており,井の頭公園・石神井公園・武蔵関公園を生活場所にしているオオタカの大切な中継地となっている可能性が示唆された。分断された鳥類生活圏を繋げる重要な林と位置付けることができる。