| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第64回全国大会 (2017年3月、東京) 講演要旨 ESJ64 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PH-31 (Poster presentation)
【目的・動機】近年、地球温暖化の影響によるサンゴ白化が問題視されている。今年の夏、日本一のサンゴ礁が連なる石西礁湖では、約9割のサンゴ礁の白化が見られた。そこで私は、サンゴをより効率的に生育させる方法を検討することで、保全に貢献することを目標として活動している。近年の研究で植物が生育過程の光質によって、特徴をかえることがわかってきた。玉川大学の研究施設では、光質を変えたリーフレタスの栽培を行い、形質に現れる特徴を観察する研究が行われている。私は、これをサンゴに応用できないかと考えた。サンゴは、共生している植物プランクトン(褐虫藻)に生育の為のエネルギーの7~8割依存しているため、褐虫藻の光合成と光質の関係を研究することで、サンゴが成長しやすい光質を考察することができると考えた。【方法】玉川学園内にある、株式会社環境技術センターの研究員の方の指導の元、共同実験を行い、得られた結果からサンゴが成長しやすい光質を考察した。実験方法は、6槽の水槽を用意し、各水槽に6個体のサンゴを配置した。標準の光を当てて飼育したサンゴを2槽。紫外線、紫、緑、赤抜きの水槽をそれぞれ1槽ずつ用意した。そして、それらのサンゴを2週間置きに水中重量法で重量を測定した。得られた重量の結果から、各水槽の平均成長率を計算、比較することで光質の違いによるサンゴへの影響を考察する。【結果】2月7日現在では、まだ測定段階であり、結果は得られていない。【考察】前述したリーフレタスの研究で、植物の成長がより活性されるのは赤色の光という考察が得られているため、赤抜水槽のサンゴは、成長率が低いと予想する。また、生物にとって有害な紫外線抜水槽でも、基準水槽と比較して成長率の変化が見られると予想する。また、緑色の光は植物の成長に大きな影響を与えないため、緑抜水槽は、基準水槽と比べて、大きな違いは見られないと予想する。