| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第64回全国大会 (2017年3月、東京) 講演要旨 ESJ64 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PH-34 (Poster presentation)
本研究の目的は,巴川水系上・中流域におけるカメ類の現状を把握し,外来種アカミミガメの脅威を明らかにすることである.そのために3つの側面から行った.研究Ⅰは,アンケートを用いたカメ類に関する実状調査と意識調査である.研究Ⅱは,外来種アカミミガメの現状調査と野外繁殖の証明である。研究Ⅲは,外来種アカミミガメが自然環境へ及ぼす影響の調査である.今回は、主に研究Ⅱについて報告する.
方法は,罠を用いた捕獲調査(標本調査)とその個体群構成の作成である。条件を変えずに同じ場所、同じ時間に罠を引き上げた。なお、罠や餌の選択性や他個体への忌避はないことは他調査により確認されている。
結果として、捕獲獲調査により,巴川上・中流域における淡水産カメ類の最優占種は,外来種のミシシッピアカミミガメであることが明らかとなった.なお,これは,6年間変わっていない.また,2013年に行った集中捕獲調査により、一時的に麻機遊水地内のアカミミガメの個体数が減少したものの、今年度の調査では、アカミミガメの性成熟した個体と幼体の数が多く,今後もアカミミガメが増加していくことが示唆された.これは、個体数の増加によって下流域に移動していた個体が再び戻ってきた可能性が考えられる。
今後も引き続き,外来種アカミミガメの防除を行っていくことで、本来あるべき生態系を取り戻していきたい。