| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第64回全国大会 (2017年3月、東京) 講演要旨 ESJ64 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PH-43 (Poster presentation)
多摩川河川敷の上流と下流でどのように植生が異なるのか調査した。下流の方では外来種が優占し、上流は在来種が優占するという仮説を立て、福生市(A地点)と世田谷区(B地点)で2016年夏と同秋の2回ずつの計4回、コドラート法を用いて調査した結果、A地点では、夏は外来種が優占し、秋はヨシを始めとする在来種が優占していた。夏から秋にかけて外来種の優占度が大きく減少したのに対し、在来種はその変化が小さかった。B地点では、夏は外来種が優占し、秋は全体的に種数が減る中で在来種のヨシが際立って優占していた。夏は外来種が優占するが、秋にかけて代わりにヨシが台頭する点が両地点で共通していた。また、B地点において夏から秋にかけて植生の大きな変化が見られたが、これは台風などによる増水の結果と考えた。今回の調査と考察によって次の結論が得られた。上流下流に関係なく在来種よりも外来種が優占する。また、河川の増水によって植生は攪乱されるが、水に強いヨシは一層茂る。以上の結果をもとに、春の調査やさらなる考察によって研究を進めていきたい。