| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第64回全国大会 (2017年3月、東京) 講演要旨
ESJ64 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-49  (Poster presentation)

チームアライグマの活動成果~外来生物問題に対する意識の変化~

*小川岳紘(埼玉県立熊谷西高等学校), 丸兒明日香(埼玉県立越谷北高等学校), 富田大愛(埼玉県立川越女子高等学校), 清水花衣(埼玉県立川越女子高等学校), 中田大登(埼玉県立所沢西高等学校)

チームアライグマは2014年に高校生を主体として発足し、アライグマなどの外来生物の生態研究や、外来生物問題の調査、議論を通して、自然とヒトの共生について考えることを目的としている団体である。現在、東京都、埼玉県の計8校30名程度の生徒で活動している。
2014年度は各校で連携して、埼玉県全体の神社仏閣においてアライグマの爪痕調査を行い、埼玉県全体でのアライグマの分布調査を行った。その結果、アライグマの爪痕は川や緑地からの距離が近い場所ほど多いことが考えられ、その成果を第62回生態学会鹿児島大会で発表した。
2015年度はチームのことを多くの人に知ってもらうことを目的に活動を展開した。具体的にはシンポジウムや公開討論会の開催である。9月に開催したシンポジウムでは、アライグマの駆除を反対している専門家にインタビューを行い、それについて発表を行った。その結果、チーム内から外来生物は駆除するべきなのかという疑問が生まれた。2月に開催した公開討論ではチーム内を肯定派、否定派に分け討論を行った。
2016年度は昨年度と同様の活動に加え外来生物についての啓発活動を展開した。具体的には、昨年度と同じくシンポジウムや公開討論の開催、茨城県自然博物館での企画展への参加、高校生環境サミットへの参加である。博物館では展示だけでなく、実際に博物館に行き発表等を行った。
チームアライグマの活動で高校生が学んだことを把握するため、メンバーにチームに参加する前と参加した後での意識の変化などのアンケートを行った。アンケートの結果、外来生物問題に対する意識の変化がみられた。アライグマはもちろん、他の環境問題についても理解を深めることができていた。外来生物駆除についても広い視点から問題を考え、多様な意見を持つことができている。


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