| 要旨トップ | ESJ64 自由集会 一覧 | | 日本生態学会第64回全国大会 (2017年3月、東京) 講演要旨 ESJ64 Abstract |
自由集会 W01 3月14日 18:00-20:00 B会場
動物たちの示す多彩な行動やそれを支える認知能力は,彼らを取り巻く自然・社会環境にどのように適応し,進化してきたのだろうか?
この疑問を解く上で,霊長類と鳥類にはとりわけ大きな関心がよせられてきた。霊長類では,ヒトとの比較を焦点に,飼育個体を対象とした心理学的研究や野生個体群を対象とした観察研究が古くから精力的に進められ,協力行動や親和行動,文化・言語の起源に関して,多くの知見がもたらされてきた。一方で近年,鳥類においても,道具の使用や親和行動,言語能力が高度に発達していることがわかり,これらが霊長類もしくはヒトに限られるとする従来の考えに,大きな波紋を呼んでいる。
霊長類と鳥類という,身体や脳の構造が大きく異なる2群において,同様の行動が進化してきたという発見は,動物行動や認知能力の進化の一般則を見いだす上で,大きな手がかりになると期待される。しかし,これら2つの分類群は,それぞれ異なる研究グループによって独自の観点から研究されており,双方の分野にはさらなる交流の余地がある。
そこで,本集会では,協力行動,親和行動,道具使用,コミュニケーションという4つのトピックについて,霊長類と鳥類で明らかになった最新の知見を総括し,これら分類群での共通点や相違に関する理解を深めることを目的とする。また,総合討論では,霊長類と鳥類の比較が,当該分野のさらなる発展にどのように寄与しうるか議論したい。
瀧本彩加(北大・文)『霊長類と鳥類の向社会行動:自発性と協力的な子育て・不公平忌避に着目して』
一方井祐子(京大・iCeMS)『鳥類と霊長類の親和行動:闘争後を手がかりとして』
菅澤承子(セントアンドリュース大・生物)『鳥のくちばし・おさるの手:鳥類と霊長類における道具使用行動』
鈴木俊貴(京大・生態研)『トリのことば・サルのことば・ヒトのことばを比較する』
コメンテータ:沓掛展之(総研大・先導科学)
[W01-1] 霊長類と鳥類の向社会行動:自発性と協力的な子育て・不公平忌避に着目して
[W01-2] 鳥類と霊長類の親和行動:闘争後を手がかりとして
[W01-3] 鳥のくちばし・おさるの手:鳥類と霊長類における道具使用行動
[W01-4] トリのことば・サルのことば・ヒトのことばを比較する