| 要旨トップ | ESJ64 自由集会 一覧 | 日本生態学会第64回全国大会 (2017年3月、東京) 講演要旨
ESJ64 Abstract


自由集会 W22  3月15日 18:00-20:00 L会場

中学生、教師、生態学者にとっての「分解者」-中学校理科での「分解者」の変遷と子どもの理解における問題点

佐藤綾(群馬大・教育)

脱ゆとり教育と一般によばれる平成20年の学習指導要領の改訂により、中学校理科で教える「分解者」が再定義され、教科書での物質循環についての記述が大きく変化した。それ以前は、分解者が「有機物を無機物に分解する菌類や細菌類」と定義されていたが、現在の教科書では分解者を「生物の遺がいやフンなどから栄養をとる消費者」と定義している。これにより、子どもが生態系における物質循環を学ぶ中で、誤概念が形成される恐れが指摘されている。本集会では、理科教育と土壌生物それぞれの専門家を交え、現在、「分解者」の学びを通じて子どもたちにどのような混乱が生じているかを紹介するとともに、土壌生物の多様性について研究者からお話いただく。それらを通じて、細菌、菌、微生物といった用語について明確な認識を持たない中学生が、「分解者」をどのように学べば物質循環の概念を誤りなく獲得できるのか議論したい。

[W22-1] 趣旨説明:中学校理科における「分解者」の定義 佐藤綾(群馬大・教育)

[W22-2] 「分解者」の定義が中学生の物質循環についての概念形成に与える影響 益田裕充(群馬大・教育)

[W22-3] 土壌生物の多様性と有機物分解 金子信博(横浜国大院・環境情報)

[W22-4] 「分解者」の定義に当てはめて土壌微生物とその働きを考える 沢田こずえ(東京農工大院・農学)

[W22-5] 日本における土壌教育の課題とその展望 福田直(武蔵野学院大・国際コミュニケーション)


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