| 要旨トップ | ESJ64 自由集会 一覧 | | 日本生態学会第64回全国大会 (2017年3月、東京) 講演要旨 ESJ64 Abstract |
自由集会 W29 3月17日 18:00-20:00 F会場
寒冷地の湿原の発達史は、海水準変動や気候変動といった古環境解明の手がかりを提供してくれる。ところが、我が国のほとんどの低地湿原は縄文海進期以降の沖積平野の発達とともに形成され、その起源は古くても7000年前を下らない。一方、北海道北部の猿払川流域には、複数の湿原が下流から上流まで連続して出現し、中・上流域の湿原は縄文海進期よりも起源が古い可能性があり、特異的な発達史が予想される。猿払川流域の湿原群の形成と地形発達との関係に関してこれまで明らかになった堆積環境、地形発達史、完新世の古環境と植生変遷といった知見を中心に、他の北海道の低地湿原との比較により、北海道北部での第四紀後期の海水準変動や気候変動、構造運動や土石流等の動的地形要因が、湿原の発達に与える影響について話題提供し議論を行いたい。
[W29-1] 北海道東部太平洋岸における湿原形成過程と海水準変動の復元
[W29-2] 中期更新世~完新世の猿払川湿原周辺における地形発達史と編年
[W29-3] 珪藻分析による北海道北部猿払村の沖積層コアの検討
[W29-4] 猿払川湿原におけるアカエゾマツ林の形成と古気候
[W29-5] 大型植物遺体からみた猿払川湿原と道内の低地湿原の植物群落変遷