| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第65回全国大会 (2018年3月、札幌) 講演要旨
ESJ65 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-075  (Poster presentation)

2015年口永良部島噴火は島嶼の節足動物類に何をもたらすのか?

*飯田恭平, 瀬古祐吾, 前原裕, 高松真也, 澤畠拓夫, 早坂大亮(近畿大学大学院)

口永良部島は鹿児島県屋久島の西方約12 kmに位置し,北琉球の大隅諸島に属する火山島である.2015年5月29日に同島の新岳が爆発的に噴火し,それにともない発生した火砕流は麓の前田集落付近の向江浜まで到達した.さらに,その後の連続した降雨により二次的な火山泥流が発生しており,前田集落および向江浜では噴火に起因した異なる様式の撹乱跡地がモザイク状に形成された.火山噴火はもっとも大きな自然撹乱の1つであり,噴火にともない発生する異なる様式の撹乱により,陸域生態系に対して多様で複雑な影響をおよぼす. 火山噴火の生態影響に関する研究は一般的に植生に着目されており,その他の生物を対象とした研究は数少ない.しかし,地表性節足動物は火砕流跡地における生態遷移のパイオニア群集であり,土壌の撹拌や種子の散布者といった生態系エンジニアとしても機能する.さらに,高次捕食者に対する餌資源でもあることから陸域生態系において極めて重要な役割を担う.これらのことから節足動物類は火山撹乱の生態影響を評価する上で極めて有効な題材となりうる.そこで本研究では,口永良部島の新岳噴火を事例に,火山撹乱に対する地表性節足動物群集の応答メカニズムを明らかにした.


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