| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第65回全国大会 (2018年3月、札幌) 講演要旨 ESJ65 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P1-127 (Poster presentation)
繁殖戦略の一例である繁殖寄生は,宿主利用と関連した表現型形質の多様化を引き起こすことが知られている.このような形質の多様化は,適応進化の一因として様々な分類群で認められるが,その適応的意義や進化のプロセスは近縁種間であっても大きく異なる場合があり,大変興味深いものが多い.
コイ科に属するタナゴ亜科魚類は,淡水二枚貝類に托卵するという特異な繁殖生態をもち,種によって利用する二枚貝類に偏りがあることが報告されている.また,タナゴ類には他のコイ科魚類には見られない顕著な卵形の多様化が認められるため,これらは宿主依存的な進化の産物である可能性が示唆されてきた.そこで本研究では,日本に生息するタナゴ類17種(亜種を含む)を対象に,系統種間比較を用いたアプローチにより,利用宿主を考慮したタナゴ類の卵形質進化とそのプロセスの検証を行った.