| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第65回全国大会 (2018年3月、札幌) 講演要旨 ESJ65 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-185 (Poster presentation)
飛ばないナミテントウ(以下、トバテン)は、遺伝的に飛翔能力を欠くナミテントウで、生物農薬として施設での普及と露地での実用化が進められている。トバテンと野生型ナミテントウとの交雑は、考えられる生態リスクの1つである。
これまで、小さなプラスチック容器内ではトバテンと野生型は区別なく交雑をすることがわかった。一方、網かけしたナス株上に一定期間雌雄を放飼した場合は、野生型雌の方がトバテン雌に比べその後に産卵した個体が少なく、孵化率も低かったため、雄との交尾をより避けることが示唆された。しかし、そのことがトバテンおよび野生型雌のどのような要因によるものかは不明である。そこで本研究では、サイズの異なるプラスチック容器を用いて室内実験を行い、交尾行動を観察することにより、交尾に至る過程やそれに関わる形態・行動形質を調べた。そして、ナミテントウにおける飛翔能力の違いが交尾行動に与える影響について考察する。