| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第65回全国大会 (2018年3月、札幌) 講演要旨 ESJ65 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-239 (Poster presentation)
イモゾウムシEuscepes postfasciatusの雄は交尾の際に、精子とともに再交尾抑制物質を雌に送り込むことで、雌に長い性的不応期を導き、雌の再交尾を抑制していることが明らかとなっている(Himuro et al. 2017)。複数の動物において、射精物が餌によって質的、または量的に変化することが知られているが、雌の再交尾抑制メカニズムについて、餌がどのように影響するかわかっていない。そこで、幼虫期を人工飼料、またサツマイモで飼育した系統を用いて、同系内(間)交配試験を行い、一度交尾した雌が再交尾に至るまでの期間(不応期)を調べ、幼虫期の餌が雌の再交尾にどう影響するかを調べた。その結果、人工飼料由来の雄と交尾した雌はイモ由来の雄と交尾した場合に比べて、再交尾に至るまでの期間が有意に短いことが明らかとなった。つまり、幼虫期の餌によって雄の射精物が質的、または量的に変化することが明らかとなった。本種は、サツマイモなどヒルガオ科の植物に寄生する外来の重要害虫で、沖縄県では、不妊虫放飼法(SIT)による根絶事業が行われている。SITは、大量に放飼した不妊虫によって野生虫の繁殖を阻害するもので、イモゾウの繁殖生態を理解することが事業を行う上で極めて重要である。
<div id="UMS_TOOLTIP" style="position: absolute; cursor: pointer; z-index: 2147483647; background-color: transparent; top: -100000px; left: -100000px; background-position: initial initial; background-repeat: initial initial;"> </div>