| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第65回全国大会 (2018年3月、札幌) 講演要旨
ESJ65 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-240  (Poster presentation)

カワウ・アオサギ混合コロニーの営巣位置と繁殖成績

*本多里奈, 東信行(弘前大学大学院・農生)

鳥類において営巣場所選択(nest-site selection)は繁殖成績に影響する要因のひとつであり、営巣場所によって被食率や周辺環境からの影響の受けやすさが変化することが知られている。どのような影響を受けるかは捕食者の種(地上性哺乳類、鳥類など)や営巣場所の環境(樹上、地面など)によって大きく変化するため、適切な営巣場所は捕食者や営巣環境に大きく左右される。複数種で構成される混合コロニーで繁殖する鳥類ではこれらの影響に加えて、集団を構成する種間の相互作用が繁殖成績に影響を及ぼすと考えられているが、カワウ・サギ類の混合コロニーにおける研究例は少なく知見が乏しい。
本研究では青森県つがる地方において、カワウとアオサギをはじめ、ダイサギ、ゴイサギによって構成される混合コロニー3カ所を対象として各種鳥類の営巣位置と繁殖成績、繁殖失敗の要因を調査し、鳥類の繁殖成績に影響を及ぼしている要因の推定を行った。また、これらのコロニーはすべて樹上に形成されていたが、それぞれのコロニーの構成種、構成種の割合、個体数、捕食者の出現頻度や風などの気象条件が異なっていることから、これらの要因についても考慮した上で各種の営巣位置に伴う相互作用と繁殖成績の関連性について議論する。


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