| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第65回全国大会 (2018年3月、札幌) 講演要旨
ESJ65 Abstract


一般講演(ポスター発表) P3-128  (Poster presentation)

野外における多視点画像取得のための移動式写真測量スタジオの開発と活用

*野下浩司(JSTさきがけ, 東京大院・農学生命), 郭威(東京大院・生態調和)

 近年,3D表面スキャナや,LiDAR,2D画像からの3次元再構築技術の一般化により,興味ある対象の表面の形態や色彩についての情報が点群と呼ばれる対象の表面に分布する点の集合という3次元データとして得られるようになってきた.特に,Structure from Motion(SfM)及びMulti-view stereo(MVS)による2D画像からの3次元表面の再構築パイプラインは様々なライブラリやソフトウェアとして実装されており,安価に高解像度の3D形態データが取得できる有望な手法といえる.一方で,野外で表現型情報を得ることは実際の生息環境でのデータ収集の観点から重要だが,常に変化する開放系であり問題は複雑である.SfM及びMVSに限っても風や光環境の変化により画像間の対応関係を取得することが難しくなる.
 本研究では,SfM及びMVSによる三次元再構築に耐えうる植物の多視点画像を野外で取得することを目的として,移動式写真測量スタジオの開発をおこなった.本スタジオではおよそ30台のデジタル一眼レフカメラ(EOS Kiss X7,Canon)を収穫用台車(楽太郎,ハラックス)に固定し,レリーズシステムによって同期撮影をおこなう.これにより,野外環境下でも風や光環境の変化による影響を抑え,画像間の対応点の取得とシーンの再構築を可能にした.得られた多視点画像からの3次元再構築の結果の報告をおこない,本スタジオの運用上の課題について議論したい.


日本生態学会