| 要旨トップ | ESJ65 自由集会 一覧 | 日本生態学会第65回全国大会 (2018年3月、札幌) 講演要旨
ESJ65 Abstract


自由集会 W04  3月14日 16:00-18:00 D会場

大自然の中をうごめく動物たち;その動きが生態系を駆動する

宇野裕美(京都大学生態学研究センター),直江将司(森林総合研究所)

自然の中で動物はダイナミックに移動する。海から川へ、川から森へ、低地から高地へ、そして砂漠の中をあてもなく、、、。そしてそれらの移動は時として、大きなインパクトをそれぞれの生態系に与える。川の中の小動物の大移動は魚に資源を再分配するし、海から遡上するサケは熊にも重要な餌を供給する。また、それらの熊が景観の中を移動するに伴って自ら動けない植物の種子は分散される。さらに圧倒的な数を誇る砂漠トビバッタの大移動は道中にある植物を食い尽くしてしまうかもしれない。これまで生態学において動物の移動は資源移動、種子分散、消費者の移動などばらばらに議論されてきた。本集会ではそんな広範な動物の移動とその生態系への影響に関する研究をまとめて俯瞰することで、生態学において動物の移動が果たす効果を包括的に議論したい。動物の移動は生態系管理の影響を直に受ける。本集会では動物の移動の環境保全、管理における重要性についても議論する。

コメンテーター:森章(横浜国大)

[W04-1] 「虫やエビ、小さな生き物の大移動がつなぐ海-川-森の食物網」 宇野裕美(京都大学生態学研究センター)

[W04-2] 「サケがつなぐ海と森:海由来栄養源の陸上哺乳類にとっての重要性」 松林順(海洋研究開発機構)

[W04-3] 「登山家クマたちの種まきは樹木を温暖化の危機から救うのか?」 直江将司(森林総合研究所)

[W04-4] 「旅のしおりは風まかせ:生死を賭けた、群れるバッタの砂漠旅」 前野ウルド浩太郎(国際農林水産業研究センター)


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