| 要旨トップ | ESJ65 自由集会 一覧 | 日本生態学会第65回全国大会 (2018年3月、札幌) 講演要旨
ESJ65 Abstract


自由集会 W14  3月14日 18:15-20:15 E会場

きのこる5-ナメクジ

都野展子(金沢大・自然科学)

サル、シカ、げっ歯類、鳥類、トカゲ、節足動物類、ナメクジなど、がキノコ食を行うことが報告されています。数年前キノコに残された食痕からキノコ食動物の種類を推定したところ、半分近い食痕はナメクジ類によるものだった。やばい、ナメクジのキノコ食を調べねば!と思っていたところ、ほかにもナメクジに注目する人々がたまたまいました!今回4人の研究者に、その生活史や生態を知られていなかったナメクジについて研究成果を発表してもらいます。ナメクジとともに生きる宇高寛子が、激変するナメクジ世界の現状や、移入種チャコウラナメクジとマダラコウラナメクジの生活史や生態について解説します。トリ屋で植物生態屋の北村俊平が、近年注目されている小型の無脊椎動物による被食散布について、特にナメクジやカタツムリの種子散布に関する研究について紹介し、現在進行形のヤマナメクジとノトマイマイの種子散布研究について話します。キノコ食動物に強いこだわりをもつ澤畠拓夫もナメクジ類に注目していました。ナメクジは菌種によって摂食部位を変え、子実層(=胞子形成部位)を主に摂食する菌種とそうでない菌種があること、前者では糞中に膨大な数の胞子が含まれ、無菌苗への糞の接種により高頻度で菌根が形成される事実を見出しました。最後に優れた嗅覚の持ち主北林慶子がヤマナメクジの生態とキノコの匂いがその摂食行動に与える影響について発表します。
いろいろな研究が発表される生態学会でさえなかなか聞くことのないナメクジについての研究成果を一挙に聞けるチャンスですのでお見逃しなく!!

[W14-1] チャコウラナメクジとマダラコウラナメクジ‐移入ナメクジの今- 宇高寛子(京大・院理)

[W14-2] ナメクジやカタツムリの種子散布者としての有効性 北村俊平(石川県立大学)

[W14-3] ナメクジ類による摂食部位と糞中胞子数のきのこの菌種による違い 澤畠拓夫(近大農)

[W14-4] ヤマナメクジが忌避するキノコとその匂いの生態学的機能 北林慶子, 都野展子 (金沢大・自然科学)


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