| 要旨トップ | ESJ65 自由集会 一覧 | | 日本生態学会第65回全国大会 (2018年3月、札幌) 講演要旨 ESJ65 Abstract |
自由集会 W27 3月17日 18:00-20:00 I会場
野生生物管理の課題のひとつに、生物境界と行政界のミスマッチがある。一般に生物の行動圏が広く、その分布や数の変動がひとつの都道府県におさまらない場合、複数の都府県からなる広域的な管理が必要という結論に達することが多い。すでに大型哺乳類であるニホンジカや空を飛ぶカワウの管理は本州地域では複数の都府県が広域連合を形成し、対策に取り組んでいる。一方、北海道のように島全体が一つの行政体である場合、広域管理を形成する新たな枠は必然的に不要である。しかし、空間的に広い範囲を一括りにする広域枠があれば、問題は解決するのだろうか?管理(施策)を行う、人間組織の事情が広域管理の成功に密接に関わるであろうことは想像に難くない。小国の集まりであるヨーロッパではシカ類の管理をするうえで各国の温度差が課題になっている。ヨーロッパの国境の問題は日本の県境にそのままあてはまるだろう。広域管理を実行するにあたって、上位と下位組織に必要な機能とはどのようなものだろうか?本自由集会では、広域的な管理が求められる陸水系のさまざまな生物の管理事例を報告し、それぞれの生物種の管理に今求められる管理ユニットの機能や構造を見出し、解決に向けた打開策を探求する。
[W27-1] 病害虫の緊急防除における防除範囲の妥当性
[W27-2] カワウにおける広域管理とローカル対策の整合性
[W27-3] エゾシカの捕獲対策を統括する行政単位は?
[W27-4] クロマグロの漁獲枠配分の問題点。非定常な資源をどう配分するか?