| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨 ESJ66 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P1-233 (Poster presentation)
細菌の構成は、宿主の栄養条件例えば、何を食べるかによって変わりうるということがわかっている。また、宿主の摂食行動に対して影響を及ぼす可能性が示唆されている。そして、宿主のみでは消化できない栄養素を宿主が消化可能な栄養素に変化させる役割を腸内細菌が担っていることがあり、宿主の適応度に影響を与える場合があるということもわかっている(Rosshart et al, 2017)。このように、宿主と細菌の構成の複合体を一つの自然淘汰の対象ととらえることが必要とされ、Holobiontと呼ぶ(Bordenstein & Theis ,2015)。Holobiontについての研究はあまり存在しない。今回の研究では、宿主側に摂食行動として、食べるものの選択を文化としてとらえ、細菌を感染症の様にとらえることで、宿主の文化と細菌の共進化の挙動を考える。平衡点存在や安定性が細菌感染経路や文化伝達経路から影響を受け、その影響から感染経路や宿主への利益を推定できる場合があることを示す。