| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨 ESJ66 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P1-383 (Poster presentation)
現在の日本では少子高齢化など人口減少が問題となっている。本研究では、住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査から1995年と2018年の全国各市区町村(東京23区は1都市とした)の出生率、死亡率及び社会増加率に関するデータを参照し、市町村の規模と人口増減の関係を調べた。社会増加率とは、移入人口から移出人口を引いた差をその市町村の人口で割った値である。出生率は両年とも人口が多い市町村ほど高かったが、同じ人口規模の市町村を比較した場合、2018年の方が1995年に比べて低かった。死亡率は両年とも人口が多い市町村ほど低かったが、同じ人口規模の市町村を比較した場合、2018年の方が1995年に比べて高かった。社会増加率に関して、2018年では、人口が多い市町村ほど高くなる傾向みられ、人口が7.5万人未満の市町村では移出のほうが多く、7.5万人以上の市町村では移入のほうが多かった。1995年については、横軸を人口規模、縦軸を社会増加率とした場合、一山型のグラフとなった。つまり、人口規模が極端に小さいか大きな市町村では移出のほうが多く、中規模の市町村で移入のほうが多かった。社会増加率は人口規模が7.5万人の市町村で最大値を取った。これら出生率、死亡率及び社会増加率を組み込んだ人口増減率モデルを作った。その結果、2018年の人口増加率は人口規模とともに増加し、66万人を境にマイナスからプラスに転じた。1995年は一山型になり増加率は人口40万人で最大値を取った。