| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨 ESJ66 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-092 (Poster presentation)
モンシデムシ属Nicrophorusでは、雌雄の両親が小型脊椎動物の死体を繁殖用の餌資源として加工し、さらに孵化した幼虫に口移しで給餌を行うことが知られている。薄暗い土中で繁殖行動を行い、その際に両親間や幼虫との通信に音を利用する可能性が報告されている。しかし雌雄の発する音については、ほとんど調べられていない。そこで本研究では繁殖中のヨツボシモンシデムシNicrophorus quadripunctatusの雌雄の発する音を経時的に記録し、繁殖に伴う音の種類を判別することを試みた。
シデムシの発音機構は単純な構造であり、鞘翅の摩擦片を胴の体節状にある隆起にこすることによって生じる。そこから発せられる音も単純な摩擦音であり音の種類を区別することは難しい。そこで、録音された音のソナグラムからピークの周波数や持続時間を計測し、雌雄から発せられる音の種類を区別し、音が発せられたときの行動との関係を調べた。