| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨 ESJ66 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-114 (Poster presentation)
植物のフェノロジー研究は主に温帯、亜寒帯、熱帯で行われてきた。温帯、亜寒帯では、多くの植物種が日長や温度変化により明確な年周期を示し、平均気温の季節変動が小さい熱帯地域では、降雨の周期的な変化が季節性を決定している。一方、温帯に比べて温度変化が少なく、熱帯に比べて乾期と雨季がはっきりしない亜熱帯地域では、研究事例は少なく結果はさまざまである。雨量の多い月に花が咲き年間を通して果実を生産するという研究事例もあれば、年間を通して花や実をつけるという研究事例もある。そこで本研究では、一つの事例研究として西表島の亜熱帯植物群集の開花・結実フェノロジーを明らかにすることを目的とした。場所は琉球大学西表研究施設の周辺で、国立公園保護地域と普通地域をカバーするルートセンサス(約3㎞)を2017年4月より10日に1回のペースで行い、観察されるすべての種(ca. 350種)の開花・結実フェノロジーを記録した。結果、1年を通して花や実をつけている植物種もいれば、季節性を示す植物種もいた。本発表では、全体的なパターンの紹介を行い、今後の研究の方向性について議論したい。