| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨 ESJ66 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-153 (Poster presentation)
気孔の環境応答に関する分子生理学的研究によって、環境応答因子や経路が次々と明らかにされている。一方、それらを統合したメカニスティックな気孔の環境応答モデル構築への取り組みは遅れており、生態学、農学、微気象学ではもっぱら経験式が用いられている。Ball and Berry(1987)やそれを改良したLeuning (1995)、これらと水利用効率最適化モデルの融合とも言える Medlynら(2011)のモデルなどがその代表例である。
本研究では、タバコ(Nicotiana tabacum ‘Wisconsin 38’)の葉を用いて、光合成速度または葉内CO2分圧を一定に保ち、O2濃度を変えた際の気孔の挙動を解析し、これらのモデルのフィッティングを比較した。また、光化学系が還元状態となると気孔開口が促されるという、Buschの仮説(2014)についてもその是非を検討した。これらに基づいて、光化学系の酸化還元状態を取り入れたメカスティックモデル構築戦略について議論する。