| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨 ESJ66 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-251 (Poster presentation)
崖線とは崖地の連なりのことで、そのでき方によって変動崖と浸食崖の2つに分かれる。変動崖は地表の運動によって生じたもので、浸食崖は川や海の作用で生じたものを指す。崖線は立地の関係上、開発を行うことが困難な点から比較的自然の地形を残していることが多い。本研究の調査対象地である赤塚公園の崖線は荒川で削られたことによって生じた浸食崖である。赤塚公園は開園時に北向きの斜面は植物相が豊かである経験則に基づき、市民による植生調査と植生管理活動が行われてきた。斜面については斜面の方位や角度で環境に差が生じたりと様々な違いがある。本研究では赤塚公園の斜面を調査し、種の豊かさの原因となっている種の分布と環境の関係にについて検討をする。
調査は、赤塚公園の大門地区のムクノキ-ケヤキ林と城址地区のクヌギ-コナラ林で行った。浸食崖の傾斜と平行となるよう斜面の下部からベルトを10m間隔で5本設置して行った。ベルトに1m×1mのコドラートを設置し植生調査、土壌水分、地温、日射量の測定を行った。植生調査は林床植物の被度を10%刻みで測った。土壌水分は崖線を傾度により上部、中部、下部に分けた後、それぞれにセンサーを5cm程度掘った場所に埋め、1時間ごとに測定した。地温も各ベルトに5cm程の穴を掘りデータロガーで1時間毎に測定した。日射量はオプトリーフを使用し、各ベルト約5m間隔で測定した。
発表ではこれらの調査から得られたデータを基に対照的な調査地点における植物の分布と環境について考察する予定である。