| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨 ESJ66 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-302 (Poster presentation)
植物の中には新芽が緑色ではなく、赤や紫などの赤系の色を呈するものがある。このような新芽の色には植食性昆虫の食害を防ぐ機能があると考えられている。しかし、実際に植食性昆虫が赤い葉を好まないことを検証しようとした研究は少ない。そこで、本研究ではツチイナゴを対象に、赤い餌と緑の餌のどちらを好むかを調べた。赤と緑の画用紙に摂食刺激物質であるショ糖の30%水溶液を染み込ませ、ツチイナゴの幼虫に摂食させた。このときの光条件を、色が分かる白色光、餌は見えるが色の区別はつかない青色光、餌が見えない暗黒の三種類用意した。摂食させた後、紙の面積を測定して元の面積からの減少を算出し、どちらの紙を多く食べたか判定した。その結果、白色光の下でのみ緑の画用紙をよく食べ、他の条件下では摂食量に差がなかった。従って、ツチイナゴは色によって餌を識別し、赤い餌を避けていることが明らかになった。この試験方法は摂食刺激物質を変えれば他の多くの植食性昆虫で使うことができるので、一般的に植食性昆虫が赤い葉を好まないのかどうかを今後調べることができる。