| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨
ESJ66 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-333  (Poster presentation)

カメルーン南東部熱帯林の哺乳類群集:地上・樹上カメラトラップによる種構成推定 【B】
Mammal community in a tropical forest in south-eastern Cameroon: an estimation by arboreal and terrestrial camera-trapping 【B】

*本郷峻(京都大学, Projet Coméca), 南倉輔(京都大学, Projet Coméca), Zeun's CB Dzefack(Projet Coméca), 中島啓裕(日本大学, Projet Coméca), 安岡宏和(京都大学, Projet Coméca)
*Shun HONGO(Kyoto Univ., Projet Coméca), Sosuke Minami(Kyoto Univ., Projet Coméca), Zeun's CB Dzefack(Projet Coméca), Yoshihiro Nakashima(Nihon Univ., Projet Coméca), Hirokazu Yasuoka(Kyoto Univ., Projet Coméca)

 環境の違いや人間の活動が動物群集に与える影響を解明することは、群集生態学の中心的課題の一つであるが、ある地域の種構成を把握するためには多大な調査努力量を要する。カメラトラップ法は効率的に哺乳類群集構成に関する情報を得られる可能性のある手法である一方、これまでの研究は地上性哺乳類を対象としたものがほとんどであり、樹上性哺乳類の群集構成把握へのカメラトラップの有効性については十分に検討されていない。本研究では、熱帯林における樹上性種を含めた包括的な哺乳類群集構成の把握を目的として、樹上および地上カメラトラップ法による種構成推定を行った。
 カメラトラップ調査は、2018年9月から2019年1月にカメルーン南東部熱帯林において行われた。調査域は、「アグロ・フォレストリ」と呼ばれる住民利用が認められている区域、伐採区、伐採や狩猟が制限されている国立公園といった、人間活動が量的・質的に異なる多様な区域を含み、さらに調査域北部を東西に走る道路上に点在する村には、農耕民と狩猟採集民が異なる割合で住んでいる。調査域内の互いに20 kmほど離れた3つの村の東西4 km、村を起点として南に32 kmの長方形調査区を設定し、各調査区において約5週間ずつ、地上カメラトラップ(地上30 cm)を24~32台、樹上カメラトラップ(地上4~24 m)を24~64台設置した。地上カメラの設置では、2 x 2 kmのグリッドの中心園内のランダムな点に設置する層化ランダム法を用いた。樹上カメラの設置では、狩猟採集民のアシスタントに木に登ってもらい設置したため、地上カメラからなるべく近く、木登り可能で樹冠が周辺の樹木と重なっている樹木を選定して設置した。
本発表では、群集構成推定に関する予備的な解析を提示するとともに、他方法による既存の情報と比較することで、地上および樹上カメラトラップ法の群集構成把握の有効性を検討する。


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