| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨
ESJ66 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-347  (Poster presentation)

イモゾウムシのトラップによる捕獲率とその季節変動
Capture rate by monitoring traps and its seasonal change in West Indian sweet potato weevil

*本間淳(沖縄県病害虫防技セ, 琉球産経株式会社)
*Atsushi HONMA(OPPPC, Ryukyu Sankei Co., Ltd.)

不妊虫放飼法は、人工増殖・不妊化した害虫(不妊虫)を用いて、野外の害虫(野生虫)の繁殖を阻害する防除法である。不妊虫放飼法が効果を発揮するためには、野生虫に対して十分に多い不妊虫を放飼する必要がある。そのため、野生虫個体数の正確な推定が根絶事業の成否に関わる。また、防除効果の確認においても野生虫の個体数変動を推定する必要がある。現在沖縄県では不妊虫放飼法によるイモゾウムシの根絶事業に取り組んでいるが、個体数推定に用いるトラップに利用できるような強力な誘引剤がなく、野外での野生虫の捕獲効率も評価されていない。そこで本研究では、これまで独立に行われてきた寄主植物(グンバイヒルガオ)サンプリングによる密度調査とライトトラップによる密度調査を、長期間にわたり同一地点で行った。両者の季節変動は同調していなかったため、ベイズ法による統計モデルを作成し、捕獲率の季節変動を推定した。その結果、台風による攪乱が起こった9・10月を除き、捕獲率はおおむね推定できた。捕獲率の推定値は、高い季節でも2割程度であり、予想どおりかなり低いことが明らかとなった。また季節により数十倍もの変動もみられ、冬期の捕獲率は非常に低くなった。このような大きな変動の理由として、寄主植物外を徘徊する個体数の変動が考えられた。


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