| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨 ESJ66 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-467 (Poster presentation)
全国的にニホンジカの個体数は過去20年間で急激に増加し,カモシカとの生息域の重複が起こっていることが報告されている.四国山地では、カモシカの個体数の減少と分布域が高標高域から低地へと変化していることが報告されている.本研究では,カモシカとニホンジカの共存の可能性を明らかにするため,四国山地の暖温帯において、二種の密度が比較的高く維持されている地域で糞内容物分析を用いた食性の季節変化とセンサーカメラを用いたハビタット利用について調査を行った.糞内容物分析の結果,カモシカとニホンジカの食性はブラウザーであり,一年を通して採食植物の重複は大きかった.しかし,センサ—カメラの解析結果では,カモシカは岩場の急斜面を主に利用し,ニホンジカは草地を主に利用するというハビタット利用に違いが見られた.このことから,ハビタット利用の違いが,両種の共存を可能にしていると考えられる。