| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨
ESJ66 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-02  (Poster presentation)

シロツメクサの過剰繁殖抑制と根粒菌
Control of excessive propagation of white clover and rhizobium

*神津優理菜, 黒田紗希(愛知県立明和高等学校)
*Yurina Kouzu, Saki Kuroda(Meiwa senior High School)

明和高校内で植生調査を行っていた際に、シロツメクサの繁殖が過剰であるということに気がついた。シロツメクサは外来種であるため、その過剰な繁殖は元の生態系を変化させてしまうため問題とされる。その一方で、シロツメクサは地面を固くすることが出来るため、土壌浸食防止作用があるということが知られている。本研究では、そのようなシロツメクサの土壌浸食防止作用を様々な場面で応用していくために、シロツメクサの繁殖を制御することを目的とした。その手段としてシロツメクサの根に共生し、窒素固定によりシロツメクサに栄養を供給している根粒菌に着目した。
 はじめに、土壌の違いによるシロツメクサの成長量の違いを調べたところ、シロツメクサの繁殖していた土壌の上澄み液で育てたものにおいて、大きな成長量が確認できた。次にこの結果を受けて、各土壌の硝酸態窒素、アンモニウム態窒素の含有量を測定したところ、どちらの成分の含有量もシロツメクサが繁殖している土壌において圧倒的に大きかった。そして、シロツメクサの根粒から採取し単離培養した根粒菌を用い、根粒菌がシロツメクサの成長に与える影響について調べたところ、根粒菌を多く添加したシロツメクサほど成長量が大きいということがわかった。また、シロツメクサと根粒菌の共生関係において最適な日照時間を調べるために、シロツメクサを日照時間1~15時間の条件下でそれぞれ栽培し、根粒の発生数やシロツメクサの成長量を測定した。


日本生態学会