| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨 ESJ66 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PH-14 (Poster presentation)
生物は生存競争のなかで必要な形状や特徴を得ている。そのため、生物の形状や特徴にはすべて意味があるはずである。私の調べているトライコームについてもこのことが言える。植物の葉の表面に生えている毛をトライコームという。私はトライコームが植物種によって異なることに興味を持ち、コルシカミント、セダム、ラムズイヤ―、アルマティカスなどのトライコームを持つ植物を観察した。実際に観察してみると、匂いの有無やトライコームの長さは種によって違った。そのなかで、シソ科イヌゴマ属のラムズイヤー(stanchys byzantina)という植物にとても興味を持った。動物の耳のような手触りが特徴で、名前の由来にもなっている。ふわふわした手触りの要因は異様に長いトライコームである。私は初めてラムズイヤ―を触った時に、長いトライコームを持つ意味は何だろう、そのトライコームの役割は何だろうととても疑問に思った。そのため、ラムズイヤーのトライコームの役割を調べることを研究のテーマにした。その役割について文献をもとに仮説を立てた。虫に食べられにくくする役割、朝露などを集めて吸収する役割、凍らないように保温する役割、衝撃を和らげる役割の四つである。それらを調べるために実験を行った。