| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨
ESJ66 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-28  (Poster presentation)

アライグマが好む環境の分析
Analysis of the environment preferred by raccoons

*山田拓海, 近藤花音(埼玉県立越ヶ谷高校)
*Takumi Yamada, Hanane Kondou(Koshigaya Senior High School)

 本研究は、「アライグマが好む環境の分析」をテーマに行った。本校科学部では、2015年~2016年に埼玉県東端の越谷市、吉川市、松伏町の3市町を対象に、特定外来生物であるアライグマの爪痕調査を行った。その結果、アライグマが埼玉県東端まで侵入していることが分かった。調査結果を点で表すよりも、調査地点の周辺環境を面で捉えることでアライグマが好んでいる環境を分析できると考え、地理情報システムソフトであるQGISを利用して研究を行った。
 アライグマが好んでいる環境を詳しく考察するために、13種類の土地利用区分を入れた地図をQGISで作成した。次に、爪痕調査の調査地点の位置情報から結果をプロットして、各調査地点の半径1kmの円の中の土地利用データを抽出し分析した。土地利用データを、「越谷市の調査地点」「吉川市・松伏町の調査地点」「3市町全体の調査地点」についてまとめた。まとめたデータを、「市町全体の土地利用面積」「調査地点周辺の土地利用面積の総和」「爪痕があった地点周辺の土地利用面積の総和」の三つの観点で比較した。「調査地点周辺の土地利用面積の総和」の割合よりも「爪痕があった地点周辺の土地利用面積の総和」の割合が増えている土地利用区分は、アライグマが好んでいると考えられる。爪痕調査は、建て替えが少ない木造の寺社を対象に行ったが、調査地点の周辺環境に偏りができ、アライグマが好んでいる環境ははっきりしない。そこで、「調査地点周辺の土地利用面積の総和」と「爪痕があった地点周辺の土地利用面積の総和」を比較することで、好んでいる環境が明らかにできると考えた。


日本生態学会