| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨
ESJ66 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-57  (Poster presentation)

坂戸市周辺における外来性プラナリアの生息調査
Survey on Inhabitation of Exotic Planarian around Sakado City

*長谷川聖龍, 上荒磯駿, 内村優太, 大津脩, 山田俊介, 石井貴大, 齊藤康太(坂戸西高等学校)
*Seiryu Hasegawa, Shun Kamiaraiso, Yuta Uchimura, Shu Otsu, Shunsuke Yamada, Takahiro Ishii, Kouta Saito(Sakado Nishi H.S.)

坂戸市は埼玉県中央部に位置しており、都市化が進行しながらも市の西部には丘陵地帯があり里山(城山)や河川環境の良好な高麗川・越辺川も存在している。近年外来生物の侵入が各地で確認されているため、坂戸市周辺の状況を調査した。
西に接する毛呂山町には旧毛呂山高校(廃校)があり、本校生物部では2015年11月より継続的にセンサーカメラによるアライグマの生息調査を行ってきたが、2017年9月よりほとんど確認できなくなった。廃校の周辺自治体に聞き込み調査をしたところ、2013年には89件だったアライグマの捕獲頭数が2017年には350件に増加していたことから、近年住宅地付近では捕獲圧が高まっていることがわかる。そこでアライグマは捕獲圧の低い丘陵地帯に、より多く生息しているのではないかと考え、城山にてセンサーカメラによる調査を行った。
その結果、カメラを設置した2018年4月以降、調査期間中複数回のアライグマが確認された。このことから、捕獲圧の高い市街地より、人気が少なく捕獲圧の低い丘陵地帯に、より多くのアライグマが定着していると考えられる。城山には希少生物(トウキョウサンショウウオなど)が生息し、生態系被害の発生も確認されている。
また、高麗川と越辺川の外来生物として、本校の調査でアメリカツノウズムシの生息を確認した。越辺川においては最上流の1地点(越生町)のみ在来のナミウズムシが確認され、わずか5㎞下流の調査地でアメリカツノウズムシが大量に確認された。高麗川は調査地点で確認されたプラナリア類はすべてアメリカツノウズムシであった。外来プラナリア類の生態系への影響は明らかではないが、今後は水質や環境の違いを明らかにし継続的にモニタリングしていく必要がある。


日本生態学会