| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨
ESJ66 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-60  (Poster presentation)

須磨産ウミホタル Vargula hilgendorfii の生活史の解明
Elucidation of the life history of the Sea-firefly Vargula hilgendorfii from Suma coast

*長谷千波矢, 大路紘裕, 田中愛, 原田侑季, 荒木岳士, 藤堂恭行, 山木文汰, 森美月(兵庫県立尼崎小田高校)
*Chihaya Hase, Kousuke Oji, Ai Tanaka, Yuki Harada, Takeshi Araki, Takayuki Toudou, Ayata Yamaki, Mitsuki Mori(Amagasaki-Oda H. S.)

  ウミホタルVargula hilgendorfiiは甲殻網介形類亜目ミオドコーパ目に属する体が2枚の透明な背甲で包まれた体長3㎜ほどの二枚貝状の生物である。本研究では須磨産ウミホタルの採集を毎月行い、個体数と体長を測定することで須磨産ウミホタルの生活史について明らかにしていくことを目的とする。
ウミホタルの採集はベイトトラップ法により2017年6月から翌年6月まで計13回行った。採集方法は、キャップ部分に9つの穴をあけた120mlのプラスチック製の容器の中にお茶パックで包んだレバーを餌として入れ、それを海底に沈め15分後に引き上げた。採集したウミホタルはその場でエタノールにより固定した。また、採集個体は図鑑を用いてウミホタルと同定した。個体数は肉眼で数えた。固定したウミホタルを顕微鏡にカメラを取り付けて撮影し、ImageJを用いて体長を計測した。(体長は嘴状突起から背甲末端までとした)各採集日の容器から約200個体を取り出して体長を計測した。容器内の個体数が200匹に満たない場合は容器内のすべての個体の体長を計測した。また、計測する個体のサイズに偏りが出ないように十分に攪拌してから取り出した。
 採集個体数が多かったのは10月・9月であった。また、6月には2.7㎜を超える個体が確認できるが、再び2.7㎜を超える個体が確認されたのは10月以降であった。秋田港のウミホタルを実験に用いている、MITOME et al.(2007)と比較し、体長の平均値±分散を各ステージとして考察すると、時期を追うにつれてステージが高くなることが確認された。12月と1月成体のみが確認され、秋田と同様の傾向が見られた。
 今後も採集を行い、個体数と体長について研究していきたい。また、採集時間、採集深度、採集場所などの影響についてもして研究いきたい。


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