| 要旨トップ | ESJ66 自由集会 一覧 | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨
ESJ66 Abstract


自由集会 W13  3月16日 17:00-18:30 Room B

ノンパラメトリック検定の過去・現在・未来~分布を仮定しないデータ解析
Past, present, and future of non-parametric statistical tests: distribution-free methods for data analysis

粕谷英一(九州大学)
Eiiti Kasuya(Kyushu Univ.)

生態学などで扱うデータは、どういう分布をするのか詳細にはわからないことが多い。また、既存のよく知られた確率分布にしたがうようには見えないこともある。だが、データを分析して結論を出したいということは、よく起こり、そのような場合に、特定の分布を前提とせず、どんな分布でも使える、ノンパラメトリックな検定は、非常に有効だと考えられる。Mann-WhitneyのU検定(Wilcoxonの順位和検定)やWilcoxon符号化順位検定、Kruskal-Wallisの検定、順位相関の検定などをはじめとするノンパラメトリック検定は、生態学ではよく使われる統計的方法の1つであり続けているが、どういうときに使うとよいのか、逆にどういうときに使うとまずいのかはユーザーには明確になっていない点も少なくない。たとえば、以下のような問いはどうであろうか:
 『データの値をそのまま使わず、サンプルの中で何番目に大きいかという情報だけを使うので、データの持つ情報を生かせずロスしてはいないか?』
 『他の方法(たとえば、一般化線形モデル)と比べてみると、優劣はあるのか?(あるいは状況によって優劣が変わるか?)』
 『特定の分布を仮定しないのだから、分布のことは気にしないで使っていいのか?』
 実際に使ったときに感じる不満や不安に答えながら、さらに、解析できる問題や状況を増やすためノンパラメトリックな検定の新しい発展に目を向けて、ノンパラメトリック検定について考える場としたい。
 2つの講演に加え、三中信宏氏より意見表明と、久保拓弥氏よりコメントをいただく予定である。

[W13-1]
ノンパラメトリック検定によるデータ解析:見逃されやすいこと 粕谷英一(九州大学)
Non-parametric tests in statistical data analysis: what are easily overlooked Eiiti Kasuya(Kyushu Univ.)

[W13-2]
統計苦手ユーザーの検定遍歴 濱尾章二(国立科学博物館)
Confusion for a nonparametric test user with weakness in statistics Shoji Hamao(Natl. Mus. Nat. Sci.)


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