| 要旨トップ | ESJ72 シンポジウム 一覧 | 日本生態学会第72回全国大会 (2025年3月、札幌) 講演要旨
ESJ72 Abstract


シンポジウム S04  3月16日 9:00-12:00 Room F

モニタリングサイト1000の20年の調査結果から見えてきた日本の自然の変化【O】
The changes in nature in Japan revealed during 20 years of the Monitoring Sites 1000 Project【O】

平松新一(環境省自然環境局生物多様性センター)
Shinichi HIRAMATSU(Biodiversity Center of Japan)

モニタリングサイト1000は、我が国を代表する様々な生態系の変化状況を把握し、生物多様性保全施策への活用に資することを目的として、環境省生物多様性センターが行っている調査である。モニタリングの対象となる生態系は、高山帯、森林・草原、里地、陸水域、砂浜、沿岸域、サンゴ礁、小島嶼で、全国約1,000か所のモニタリングサイトにおいて2003年度から継続的に調査を実施している。これらの調査は、研究者をはじめ、NGO、NPO法人、市民調査員など、様々な主体による協力のもと実施している。調査結果はウエブサイト(http://www.biodic.go.jp/moni1000/index.html)で公開しているとともに、JBO3の評価項目を始めとしてさまざまな行政施策や学術研究に活用され、さらに、GBIFなど国際的なデータベースに提供されており、国際的なネットワークとも連携している。これらの成果の一方、後継者の育成や、調査の認知度の向上などが今後調査を継続するための課題となっている。
調査結果は毎年まとめるとともに、5年に1回、解析を加えた総合的なとりまとめを実施している。現在、第4期のとりまとめを行っており、本年度は7つの生態系/分類群でとりまとめを実施した。
各生態系/分類群におけるとりまとめの結果から、身近に見られる種の減少、気候変動による生物への影響、外来種の分布拡大など、さまざまな変化傾向が明らかになった。一方で、外来種対策により、危機に陥っていた生き物の回復が認められた地域の事例もあった。
本集会では、高山帯、森林・草原、里地、沿岸域、シギ・チドリ類のこれまでの調査結果から見えてきた自然の変化を報告するとともに、モニタリングサイト1000の活用事例や課題についても報告する。

[S04-1]
モニタリングサイト1000調査の目的と意義 *雨宮俊(生物多様性センター)
Objectives and significance of the Monitoring Sites 1000 Project *Shun AMEMIYA(Biodiversity Center of Japan)

[S04-2]
高山植物の開花フェノロジー変動とポリネーターとの季節性ミスマッチ *工藤岳(北海道大学)
Dynamics of flowering phenology of alpine plants and its impact on phenological mismatch between flowers and pollinators *Gaku KUDO(Hokkaido University)

[S04-3]
変わりゆく日本の森 *日浦勉, 小川裕也, 野間野史明(東京大学)
The changing forests of Japan *Tsutom HIURA, Yuya OGAWA, Fumiaki NOMANO(Tokyo University)

[S04-4]
日本の里地里山の生物多様性の危機 *石井実(大阪府立環境総研), 藤田卓(日本自然保護協会), 福田真由子(日本自然保護協会), 小林彩(日本自然保護協会), 赤坂宗光(東京農工大学), 内田圭(東京都市大学), 片山直樹(農研機構), 曽我昌史(東京大学), 深谷肇一(国立環境研究所), 久野真純(広島大学), 柗島野枝(国立環境研究所)
The biodiversity crisis in Japanese Satoyama regions *Minoru ISHII(Res. Inst. Env., Osaka Pref.), Taku FUJITA(NACS-J), Mayuko FUKUDA(NACS-J), Aya KOBAYASHI(NACS-J), Munemitsu AKASAKA(Tokyo Univ. Agri & Tech.), Kei UCHIDA(Tokyo City University), Naoki KATAYAMA(NARO), Masashi SOGA(Tokyo University), Keiichi FUKAYA(NIES), Masumi HISANO(Hiroshima University), Noe MATSUSHIMA(NIES)

[S04-5]
モニタリングサイト1000事業の沿岸域における意義と成果 22世紀に向けた期待 *白山義久(京都大学), 青木美鈴(日本国際湿地連合), 上野綾子(日本国際湿地連合)
The importance and accomplishment of the coastal part of the Monitoring Sites 1000 Project– Perspective towards the 22th century *Yoshihisa SHIRAYAMA(Kyoto Univ.), Misuzu AOKI(WIJ), Ryoko UENO(WIJ)

[S04-6]
市民調査から始まったシギ・チドリ類調査が示すシギ・チドリ類の個体数・生息地の変化 *柏木実(ラムネット日本), 守屋年史(バードリサーチ)
The survey of shorebirds originally started by citizens survey and the changes in population and habitat revealed by the survey. *Minoru KASHIWAGI(Ramsar Network Japan), Toshifumi MORIYA(Bird Research)

[S04-7]
モニタリングサイト1000調査の成果と課題 *高橋啓介(生物多様性センター)
Results and challenges of the Monitoring Sites 1000 Project *Keisuke TAKAHASHI(Biodiversity Center of Japan)


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