| 要旨トップ | ESJ72 フォーラム 一覧 | | 日本生態学会第72回全国大会 (2025年3月、札幌) 講演要旨 ESJ72 Abstract |
フォーラム U03 3月16日 12:15-13:45 Room F
野へ山へ、川へ海へ、時には熱帯雨林の奥地や南極まで。多様な環境でのフィールドワークは生態学の魅力の一つです。しかしながら、野外での調査には様々な困難が付き纏います。ケガや事故の危険だけでなく、排泄場所、体調不良、共同生活でのトラブル...。フィールドワーカーなら誰もが一つ以上は思い当たることがあるでしょう。男女共同参画学協会連絡会幹事学会運営タスクフォースが昨年度実施した生態学会員対象のアンケートでは、フィールドワークで直面した様々な困りごとが寄せられました。女性や性的マイノリティー、外国人、障害のある方などがそれぞれの事情について深い悩みを抱えていること、また異なる属性の人々とのコミュニケーションに戸惑いを感じている人が多いことがわかりました。今「自分は何も問題ない」と思っている人でも、いざ自分がチームリーダやPIになった時、配慮の必要性を見落としたり、どのような配慮をすべきかわからなかったりすることで、思わぬ壁にぶつかる可能性もあります。生態学という学問の分野の進展とキャリアの支援には、意欲のある誰もが安心して参加できるフィールドワーク環境を整えることが不可欠です。そこでキャリア支援専門委員会では、野外安全管理専門委員会と協力しながら、生態学会の野外安全管理マニュアルをダイバーシティに着目してさらに拡充することとしました。本フォーラムでは、まず昨年度のアンケートで浮かび上がった具体的な課題を共有します。そして、近日出版予定の野外安全調査マニュアルではどのようにダイバーシティの観点が取り入れられているかを紹介します。次に二名の演者が、数ある課題の例として、月経対処の問題と、性別や国籍・宗教の異なる人々との共同での作業・生活で生じうる問題についての話題提供を行います。最後に、総括とパネルディスカッションを行い、より良いマニュアル作りに向けて、皆さんと一緒に考えたいと思います。
[U03-1]
趣旨説明ー生態学会員対象のアンケート結果を受けてー
Introduction
[U03-2]
フィールド調査における安全管理マニュアル」の改訂と出版について
The publication of newly revised and updated, “Safety Guidelines For Field Researchers"
[U03-3]
話してみよう、生理のこと:野外調査中の月経対処をめぐる課題の共有・解決に向けて
Let's have a talk about periods: toward sharing and resolving menstrual management issues during fieldwork
[U03-4]
フィールド調査における異文化間のつきあい方:よりインクルーシブな調査に向けて
Cultural Diversity in Fieldwork: Towards Inclusive Exploration
[U03-5]
総括
Conclusion